みゆき野球教室

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波の数だけ抱きしめて

今日は江ノ島まで遠足に行った。

江ノ島へ行く道はいろいろあるが、今日は東海道線大船駅からモノレールで湘南江ノ島へ行く道を選んだ。
北鎌倉と大船に住んでいたので、この辺りの土地勘は十分にある。
 
秋の大型連休の最終日ということで、たくさんの人出だった。晴れて湿度も低く、行楽にはもってこいの天候だった。隣接する海水浴場では、まだ海水浴を楽しむ人がいた。
 
今日の目的は江ノ島に住むネコたちに会うため。この島はネコ島といわれるくらいネコが多い。
弁天橋を渡り、島に上陸すると参道を登り山頂を目指す。そこには展望台を兼ねた灯台がある。
この島には「エスカー」という不思議な乗り物がある。神奈川県人の認知度は異常に高いが、その他の人たちはあまり知らない。
運賃は360円。切符を買ってエスカレーターに乗るが、その降り口にも「エスカー」の車両はない。そうだ、このエスカレーターこそが「エスカー」なのだ。エスカレーターに360円払うのは納得いかないが、これに乗ると登山がかなり楽になる。
 
やっとの事で山頂に到着。ネコを探すが、どこにもいない。以前はここに至る道で何人ものネコに会うことができたし、山頂はネコの天国だった。しかし、今日はひとりも出会えなかった。
歩みを進め、島の裏にある洞窟を目指す。この途中でようやくひとりだけネコを見つけた。
 

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結局、全島を探索して、このひとりのネコだけにしか出会えなかった。
再びモノレールで大船に戻り、国鉄に乗って帰った。山頂で食べようと思って大船駅で買った大船軒のサンドイッチを食べながら。
 
波の数だけ抱きしめて」は、ホイチョイ・プロダクションによるバブルの頃の映画。湘南のすべての海岸でミニFM曲を作ろうとした若者たちの物語。タイトルの「波」は海の波と電波の波を掛けている。
ホイチョイプロの作品は、恵まれた若者ばかり出てくる。お金持ちで社会的地位がある立派な両親がいて、クルマを持ち、有名大学に在学して一流企業に勤めている。それらとは真反対の私は、大いに劣等感を刺激された。
 
今ではインターネットで自分の放送局を持つことができる。しかし以前は違法電波を発射して隠れて放送を送る海賊放送局があった。これは大森一樹監督のデビュー作「オレンジロード急行」で描かれている。その後、免許を受けたミニFMに移行して、現在はインターネット放送やPodcastになった。
自分のメディアが欲しいと思っていた私にとっては、今はとてもいい時代になった。しかし、制約がなくなり自由に発信できる今よりも、多くの制約を乗り越えながら知恵と努力で自分の考えを発信していたかつての時代の方がもしかするといい時代だったのかもしれない。