みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

【最終回】グリース2 GREASE 2

病気がちで休載も多くなった。このあたりで一旦このブログを終了しようと思う。
 第一回目に取り上げた作品は「グリース」だった。最終回は「グリース2」を取り上げる。
 
1961年。夏休みが終わりライデル高校の新学期が始まった。
ダニー(ジョン・トラボルタ)やサンディ(オリビア・ニュートン・ジョン)は卒業して、主人公たちのグループは最上級生になった。
彼らはバイクにボウリング、そしてデートに明け暮れていた。そんな時、学校主催のタレントコンクールが行われることに。優勝すればLPレコード100枚がもらえる。不良グループのTバード達も100枚のレコードのために歌の練習をする。
 
このライデル高校にマイケル(マックスウェル・コールフィールド)という転校生がやってくる。彼は不良グループの取り巻きのステファニー(ミシェル・ファイファー)に一目惚れをする。しかし、彼女を落とすにはバイクが無いと話にならない。マイケルは宿題の代行をやりバイクを手に入れるが、彼の恋は成就するのだろうか?
 
前作に比べて、耳に残る音楽が少ないのが残念。ただ、劇中でステファニーたちが歌う「Girl For All Seasons」は美しい歌で初めて聴いた時にときめきを感じた。
 

 

私はこの映画をデートで観た。残念ながらその恋は実らなかった。
 
映画が終わり、クレジットが流れるところでは、モノクロの写真で楽しかった高校生活が回想される。その演出はまるでドキュメンタリーを観ているようであった。
 
実際の彼らはライデル高校を卒業した後、どうなったんだろう? 頭のいい生徒は少なかったので、就職した者が多かったかも知れない。あるいは、兵役につき除隊すると奨学金を得て大学へ行ける制度を利用するために兵士になった者もいたかも知れない。彼らは、ベトナムで生命を落とすか、ココロにも身体にも深い傷を負って祖国に戻って来たかも知れない。
 
このような学園ドラマを観ると、18歳で大学に行きたかったと強く思う。
私は映画監督になりたかったが、どうやらなれそうにないので、堅気の仕事に就こうとした。その仕事は、大学を出ないと就くことが難しい。担任教師と母親との三者面談でもそれを訴えて進学をしたいと言ったが、そうさせてもらえなかった。
 
母は言った。「これからは学歴は関係ない。むしろ、資格だ」。しかし、その資格も大卒以上でないと取れないものが多かったり、学部や修士レベルの知識が求められるものばかりだった。そもそも、一番大切な資格は、大卒資格だった。
 
私は、高卒で社会に出て辛酸を舐める。そして、なんとか人生逆転を目指して38歳で大学に入り経営学を学び、42歳で学士の学位を得た。MBAも目指したが、カネと学力がなく断念した。もし、18歳で大学に入っていれば、心を病むことはなかっただろう。
 
さて、300本以上の駄文を書いてきた。その中で、ほんの数本だが自分でも納得できる作品が書けたと思っている。
毎日書くことは喜びであった。これも、たくさんの読者の皆様のご愛読のおかげだ。
まだ書き足りないところもあるが、これはまた時間をおいて、別の場所で夢を叶えたい。
 
このブログを始めて、再び映画を観る習慣を取り戻した。明日からはもう書くことはないが、映画は観続けていくつもりだ。そしてもし夢が叶えば、もう1本でいい、自分の作品と言える映画を撮りたい。
 
約1年間のご愛読に感謝し、皆様のご多幸を祈念して本稿の結びとする。
 

ナイトライダー Knight Rider

仕事を2日休んだ。
ココロが完全に折れたからだ。
まだ回復していない。しかし、出社しないと仕事を失う。
身体の骨折は、治療すれば治る。されど、ココロの骨折は決して治らない。
 
ココロって、どこにあるのだろう? 脳がある頭か? そうかもしれない。だが、私は胸のあたりに激痛を感じる。となると、ココロは胸にあるのかも知れない。皆さんも失恋などした時は、頭より胸が痛いはずだ。
精神科に行けば、ココロに効く薬を処方して貰える。だが、この薬は胸に作用するのではなく、脳に作用する。やはり、ココロは頭にあるのだろうか?
 
そもそも、ココロは実在するのだろうか? 私は残念ながら見たことが無い。おそらく、ココロを見たことがある人はいないだろう。この実在するかどうかも解らないモノのおかげで、多くの人が苦しみ、自ら生命を断つ。
 
ココロは人間だけにあるのだろうか? 私はネコを飼っているが、ネコも悲しそうな顔をしたり、怒ったことを表情に表す。つまり、ネコにもココロがあるということだ。
 
AIと呼ばれる人工知能の研究・開発が進んでいる。すでに多くの場面で使われているが、最終目的は軍事の世界だろう。例えば、ある要人を暗殺する際、人間が判断して実行すれば感情が入り込み失敗の可能性がある。でも、感情を持たないAIなら躊躇なく実行できるだろう。人間なら人を殺したことでココロをやられることもあるが、AIではその心配は無い。
 
SF映画や小説では、AIが人間の命令を聞かなくなり、自己増殖することが描かれる。少し前ならそれはありえないという結論を科学者が出していたが、最新の研究ではプログラムを強制終了するコマンドを人間が打ち込んでも、それを無効化することも考えられるらしい。本当に恐ろしい。
 
AIはココロを持たないが、少し前の映画やテレビジョンには人間的なAIが出てくる作品が多かった。例えばアメリカのテレビ映画「ナイトライダー」もその一つだ。
この作品は、ナイト2000と呼ばれる自動運転の車に搭載されているK.I.T.T.(キット)とナイト財団に命を助けられたマイケル・ナイトが様々な悪と戦うものだ。
 
このK.I.T.T.(キット)は、とても人間的で正義感が強く、主人公のマイケルを諌めたりすることもあるが、絶対に儲かるとマイケルにも内緒で買った馬券が外れるというドジなところもある。
 
AIもこのようなものならいいが、30年後には「猿の惑星」ならぬ「AIの惑星」になっている可能性もある。
 

東京難民

貧困は自己責任と言う人がいる。ビンボー人は高望みせずに中卒や高卒で働けと同じ口が言う。ビンボーな当事者がこのようなことを言うのを聞いたことがない。大抵は、親が十分に教育費をかけてくれる家の子供がそのように言う。
 
中卒や高卒でもまともな仕事につける時代は良かった。がんばれば部長や取締役にはなれなくても、課長や係長くらいまで出世でき、ローンでマイカー、マイホームが買えた時代があった。
 
しかし、今や高卒の仕事といえば、使い捨ての飛び込みセールスや飲食店、吹けば飛ぶような三ちゃん企業ばかりで将来設計も出来なければローンを組むことも出来ない。だから、有利子の奨学金という教育ローンを借りてでも大学へ行こうとする。
 
だが、ビンボーな家庭の子供は普段から勉強をする環境にない場合が多い。高い授業料の塾に通わせてもらえなかったり、幼い弟や妹の面倒を見なければならない場合もあるし、働いて家計にお金を入れることを求められる場合もある。従って、裕福な家の子供のように国立大学や有名私立大学に進学できる確率は低くなり、その差は就職するまで、そしてその後も広がる一方だ。
 
これに対しての処方箋を私は持たない。給付型の奨学金を設けても、金持ちの子供が獲得するだろうし、中卒や高卒に対して将来設計が出来る仕事を与えることも、仕事そのものが高度専門化するので難しいだろう。結局、努力して金持ちの家に生まれる以外にないだろう。恵まれた人は、すべて自分で努力したので今の境遇を得たと信じている人が多いので、がんばれば出来るかもしれない。
 
「東京難民」は、ビンボーが元で転落する若者を描いた傑作。努力して金持ちの家に生まれなかったために、ちょっとしたきっかけでどん底まで落ちる。悲惨な物語だ。
 
そういえば、何年か前に「ネットカフェ難民体験」を行ったことがある。半畳程度の個室では足を伸ばして寝ることが出来ず、疲れは癒せなかった。今は、ボロ家だけど、住む家があって良かった。
 
もはや、この世には神も仏もない。今度、恵まれた人に、努力をする方法を聞いてみようと思う。もしかすると、もう一度母の子宮に戻り、金持ちの家に生まれる方法を教えてくれるかもしれない。