原爆の子
70年間は草木も生えないと言われた広島は、美しい国際平和観光都市へと変貌を遂げた。
この広島に、現職の大統領としては初めて、バラク・オバマが訪問した。
この歴史的な出来事に、テレビジョンの画面を通して立ち会うことが出来た。
オバマ大統領の勇気ある決断に感謝する。
日本の侵略戦争に端を発する世界の悲劇で、多くの国の国民が傷ついた。特に、日本は原爆という未曾有の悪魔の兵器で死んだ。長崎も同じだ。
戦勝国も、若い生命が失われた。
あれから71年。謝罪ではなく、今後戦争を、特に核戦争を起こさないという決意をすべての国が共有すべきだ。
新藤兼人が故郷の広島を舞台に作った「原爆の子」は、まだ被爆の傷跡が生々しい広島の街が写っている。しかし、そこで生きている人は、明日という日を信じて生きているように見える。
正面から原爆反対、というメッセージを込めた作品ではない。それだけに、どんな苦難にあっても生きようとする人間の力強さが描かれる作品となった。
オバマ大統領が広島に来たこの日を決して忘れない。