大菩薩峠
「大菩薩峠」の三部作を観た。
これは中里介山原作の超長編小説を映画化したものだ。
原作小説は新聞に長い期間連載していたが、作者の死によりとうとう完結しなかった。
市川雷蔵は本作では、汚れ役ともいえる机竜之助を演じた。机竜之助は剣術の腕は確かであったが、彼の剣は驕っていた。罪のない人々をその剣によって斬っていた。
しかし、ある事件以降、彼は追われるように江戸、京都へと流れていく。彼に関わった女はみんな不幸になる。
この作品をご覧になる時は、どうか照明に注目してほしい。光と影の使い方が実にうまい。また、美術がいい。これも注目のポイントだ。
日本映画が斜陽化する前の、最後に輝いていた時期の名作。心からお薦めする。
※予告編は第二作のもの。