お茶漬の味
父と母はパチンコが好きだった。よくパチンコ屋に連れて行かれた。そこそこ強かったようで、景品のチョコレートを持って帰っていた。
ある日、現金に交換するボールペンが家にあったので開封したらえらく叱られた。
友達のお父さんは、地方自治体が運営する駐車場の管理をしていた。1日昼間に仕事をすれば、翌日は休日という羨ましい仕事をしていた。休日にはパチンコに行き、いつも勝っていた。
私は賭博は好きだが、パチンコは嫌いだ。上品ではないからだ。私は競馬とカジノ以外はやらない。
馬主でもある府中のパチンコ屋の駐車場でアルバイトをしたことがあった。その時は食事付きで、キムチを始め、ご飯がすごく美味しかった。
小津安二郎の「お茶漬の味」は、1952年に作られた作品だ。上流社会の人々を描いた。終戦から7年、復興が進む東京の街がたくさん出てくる。
その中で、パチンコ屋も出てくる。主演の佐分利信と鶴田浩二がパチンコを楽しむ場面がある。当時のパチンコは椅子がなく立って玉を弾いていた。その玉も、1球づつ投入して親指で弾く。今のオートマチックとは違い、牧歌的だ。玉が出ない時は台を叩く。
パチンコはなくなって欲しいが、代わりに合法的なカジノが出来るといい。裏で非合法で行うよりも、合法化して反社会的勢力の関与を断ち切る方がきっといい。