みゆき野球教室

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大停電の夜に

死ぬ時、痛いのか? それが子供の頃からの謎だった。
例えば、寝ている間に死んだら痛くはないだろう。でも、ビルから転落したり電車に轢かれたら絶対痛いと思う。
両親に聞いてみた。彼らは痛くないと言った。痛いと思う前に死んでいるからだと。でも、私は痛いと思って死ぬと思う。
 
大怪我をした時のことを思い出してみた。乗馬クラブで働いている時、落馬事故で大怪我をした。具体的には、後頭部と上半身を強打した。意識を失った。その時、スローモーションで客観的に馬から落ちる場面を見た。映画のように。あの時は、痛いと感じなかった。意識を回復してから痛くなった。ということは、両親の言っていることは正しいのかもしれない。
 
死ぬ時はラクに死にたい。自分で命を絶つと、きっと痛いだろう。だから、生きる。
生きることは決めたが、やはり今のアパートは出て行かないといけない。ここにいたら、また死にたいと思ってしまう。このアパートを出るためにはあらゆる手を使おうと思う。生きるためには手段を選べない。
 
若い時もこんなことがあった。生きるためには手段は選べないと言ったら、ある青年にきつく叱られた。甘えるな、と。彼は恵まれた家庭に育ったお坊ちゃんだった。悔しかった。その時も、なんとか生き延びた。今回も必ず生き延びる。
 
週末はまた雪が降るという。雪が降るのはいいが、困るのは停電だ。私が子供の頃は頻繁に停電があったが、今では滅多にない。滅多にないからこそ困る。今の暖房器具はほとんど電気が必要なのだ。我が家はガスファンヒーターを使っているが、これもAC100Vに差し込んで使う。エアコンも当然使えない。純粋な石油ストーブは今ではほとんどない。というのも、大抵の賃貸物件は石油ストーブが禁止だからだ。
 
大停電の夜に」は、クリスマスの夜に大停電になった東京の一夜の物語。音楽は私が大好きな菊地成孔。去年、菊地のラジオにメールを出して読んでもらった思い出がある。
 
停電と共に最近はあまりなくなったのがテレビジョンの映像が消えて「このままでしばらくお待ちください」という静止画面。こちらのお噂はまた次の機会に。