みゆき野球教室

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オールウェイズ Always

昔のアメリカ映画を観て感じること。それは、みんながタバコを吸っていること。
今ではほとんど喫煙シーンを観ないが、少し前まではタバコは重要な小道具だった。
 
私はタバコが嫌いだ。タバコを吸う人も嫌い。マナーが悪いからだ。私の家の周辺は喫煙禁止になっているが、それでも歩きタバコの人を多く見かける。また、吸い殻の多さにも閉口している。
屋外の喫煙はまだ我慢しよう。だが、飲食店での喫煙は我慢できない。食事をしている隣で平気でタバコを吸う人がいる。信じられない。
飲食店は、以前は禁煙店は限りなく少なかった。やがて、禁煙スペースは出来るものの流れてくる煙を遮るものはなく、事実上の全席喫煙可能状態だった。最近はようやく全面禁煙の店が増えてきて嬉しい。飲食店としては、吸う人も吸わない人も両方取り込みたいという気持ちだろうが、そのような店はどちらの客も取り込めない。
 
タバコを吸う人は特定の属性の人が多い。一般的には、低学歴の人や低収入の人、ブルーカラーの人に多い。競馬ファンには喫煙者が多いし、馬乗りもタバコをよく吸う。
 
タバコは火災の原因にもなる。意識の低い人が何気なく捨てた火のついたタバコで火事になるなんて、まっぴらごめんだ。
 
「オールウェイズ」は、森林火災の消防隊のパイロットたちを描いた名作だ。
私は、この作品で面白かったのは、「Follow Me」と書かれた誘導用のトラックが暴走し、ヒコーキがそれについて行こうとした時に、「Don't Follow Me!」と叫び声を上げる場面だ。何てことない場面だが、記憶に残っている。
この映画の主題歌は「煙が目にしみる」。
オードリー・ヘップバーンの最後の出演作でもある。
 

怒りの葡萄 The Grapes of Wrath

疑惑の都知事が辞職した。
しかし、彼の犯した過ちはごく軽微だ。元都知事で暴言極右の老害は、もっと酷かった。その上、新銀行東京で1000億円近い損失も出したが、誰も彼を追求しなかった。
 
日本は不思議な国で、舛添のような小物はマスコミも国民も全力で叩くが、大物は一切叩かれない。例えば、ネオナチの議員、議場で他の議員を殴った元幹部自衛官の議員、ドリルでハードディスクを壊し証拠隠滅を図った元総理の娘、女性の下着を盗んだ大臣、電波停止で恫喝する大臣、年金を株式市場で溶かした政府系機関と日銀、パナマ文書で名前が挙がった大企業、オリンピック誘致で不正を行った人物、そして不起訴になった瞬間に睡眠障害が完治した元大臣などアベが関わる人物、企業は真っ黒なのに誰も叩かない。舛添はきっと「なんで俺だけが」という気持ちだろう。
 
そして、次の都知事にはまた有名だけど真っ黒な人がなり、参議院選挙でも自民党が圧勝して、いよいよ憲法改悪、戦争へという流れになることだろう。
本当に美しい国だ。
 
怒りの葡萄」は、名匠ジョン・フォードが演出し、ヘンリー・フォンダが主演した社会的ドラマだ。この作品の背景には恐慌がある。そのために、仕事を失ったり人々の心が荒廃する。
原作のジョン・スタインベックは、キリスト教の影響を強く受けた作家として知られる。この作品も、新旧聖書の影響が多くにじみ出ている。
 
アベが行うなんちゃらミクスで何本もの毒矢を撃たれ、国民はもう虫の息だ。一方、大企業は史上最高益を叩き出し、せっせと内部留保を積み重ねている。
もうこの国は終わりだ。
 

将軍 SHOGUN Shōgun

三船敏郎がハリウッドで撮影した際、現場の後片付けを手伝おうとしたら「俺たちの仕事を奪う気か?」と怒鳴られたそうだ。三船は日本では率先して準備や後片付けを手伝うことで有名なスターだが、場所が変わると良かれと思ってやったことが結果的に迷惑をかけることになる。
 
日本ではこのように自分の仕事でなくても手伝ってみんなでやることが美徳とされる。しかし、経営者から見れば、実に好都合で、安い賃金でより少ない人数でより多くの仕事をさせることが出来る。
日本人もそろそろ自分のやるべきことと人がやるべきことをはっきりと区別することが大切だ。
また、日本人は給料分以上の働きをするが、これも結果的には所得を下げ、労働時間を長引かせ、景気を冷え込ませることになる。給料分はしっかり働く必要があるが、それ以上は無報酬で行ってはならない。
 
さて、三船敏郎に話を戻そう。
この人のことを悪く言う人はあまりいない。こんなこともあった。彼が住んでいた世田谷区の成城で河川が氾濫した。その際、彼は自前のボートを出して救助にあたった。
また、セリフ覚えの悪い俳優が多い中、彼は完璧に台本を頭に叩き込み、現場に入るホンモノのプロだった。
とにかく豪快な人で、黒澤明の「蜘蛛の巣城」では、ホンモノの矢を撃たれ、それに怒って散弾銃を持って黒澤明の自宅に行ったと言われている。
 
長い間、三船は黒澤明の作品に出続けたが、彼に代わり仲代達矢が黒澤組の常連となった。この頃から、三船の運命も変わっていったように思う。
三船は歳をとってからの貫禄ある様子もいいが、若い頃の野性味あふれる姿はそれ以上にいい。
 
彼の代表作はおそらくは黒澤明と組んで作った作品だと思うが、今回は「将軍 SHOGUN」を取り上げたい。本作はアメリカで作られたテレビ映画である。
江戸時代初期、オランダ船が日本に漂着する。イギリス人の水先案内人のジョンは日本という特殊な国で戸惑い、活躍する。これは、実在の人物であるウィリアム・アダムス(三浦按針)がモデルだ。
三船敏郎は、徳川家康がモデルの吉井虎長を演じた。
 
この作品を観たのは、高校生の時だ。日本が舞台のダイナミックな映像にテレビジョン受像機の前で興奮した。
ナレーターは名優のオーソン・ウェルズが担当したので、次に観る機会があれば、英語版で観てみたい。
 
 もう、三船敏郎のような大物スターは生まれてこないだろう。私は彼と同じ時代を生きることができ、誇りに思う。
 

大統領の陰謀 All the President's Men

新聞休刊日だった。
この日になると必ず「頭がいい」とされているバカが「全社一斉に休むのはおかしい。談合だ。他社がスクープをしないために一斉に休む。けしからん」と訳のわからない批判をする。
 
新聞休刊日とは、新聞販売店の従業員を休ませるために始まった制度で、上記の批判は的外れだ。その上、例えば「朝日新聞」や「毎日新聞」の看板を掲げて商売をしていても、産経新聞日本経済新聞を合わせて配達する販売店もある。都心でも、人口の少ない地域や地方にはこのような併売店が多い。もし、各紙休刊日がまちまちなら、毎日新聞は休刊でも発行している日本経済新聞を配達するために出勤しなければならない。
 
こう書くと「交代で休めばいい。どの業界だってそうしている。企業努力が足りない」とまたピントの外れた批判をする。だが、新聞販売店は過酷な仕事のため、なり手が少ない。この業界は現代では珍しいくらいに学歴や経験、年齢、性別、そして前科の有無を問わずに受け入れてくれる世界だ。それでも、慢性的な人手不足で週に一度の交代制の休みもままならない状態が続いている。そのため、新聞奨学生という奴隷制度よりも劣悪な労働条件で独力で進学しようとする青少年を騙し、借金で縛った上働かせている。
 
月に一度、新聞がなくてもそれくらいは我慢しようではないか。それに、この制度を批判する人は新聞を購読していない傾向もある。新聞がなくてもネットニュースもあればテレビジョンやラジオのニュースもある。それで十分だ。
 
新聞は紙に印刷して個別配達している以上、いつまでたってもこのように批判する人は減らないだろう。そろそろ、全面的に電子版に移行する時期だと思う。
新聞そのものは無くならないで欲しい。責任ある立場で書かれた記事の重みを私は信じているからだ
 
ロバート・レッドフォードダスティン・ホフマンが主演した「大統領の陰謀」は、ウォーターゲート事件を暴き、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ2人の新聞記者の活躍が描かれる。
この作品の中で、政府やCIAなどの権力がメディアに圧力をかけて事件をもみ消そうとすることが描かれる。これはまさしく現代日本そのものだ。安倍政権は、メディアに介入し、自由な報道は失われた。
いつか、志あるメディアが現政権の不正を暴き、退陣に追い込むことを期待しているが、総理に寿司や天ぷらをおごってもらっている現状では無理だろう。