みゆき野球教室

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将軍 SHOGUN Shōgun

三船敏郎がハリウッドで撮影した際、現場の後片付けを手伝おうとしたら「俺たちの仕事を奪う気か?」と怒鳴られたそうだ。三船は日本では率先して準備や後片付けを手伝うことで有名なスターだが、場所が変わると良かれと思ってやったことが結果的に迷惑をかけることになる。
 
日本ではこのように自分の仕事でなくても手伝ってみんなでやることが美徳とされる。しかし、経営者から見れば、実に好都合で、安い賃金でより少ない人数でより多くの仕事をさせることが出来る。
日本人もそろそろ自分のやるべきことと人がやるべきことをはっきりと区別することが大切だ。
また、日本人は給料分以上の働きをするが、これも結果的には所得を下げ、労働時間を長引かせ、景気を冷え込ませることになる。給料分はしっかり働く必要があるが、それ以上は無報酬で行ってはならない。
 
さて、三船敏郎に話を戻そう。
この人のことを悪く言う人はあまりいない。こんなこともあった。彼が住んでいた世田谷区の成城で河川が氾濫した。その際、彼は自前のボートを出して救助にあたった。
また、セリフ覚えの悪い俳優が多い中、彼は完璧に台本を頭に叩き込み、現場に入るホンモノのプロだった。
とにかく豪快な人で、黒澤明の「蜘蛛の巣城」では、ホンモノの矢を撃たれ、それに怒って散弾銃を持って黒澤明の自宅に行ったと言われている。
 
長い間、三船は黒澤明の作品に出続けたが、彼に代わり仲代達矢が黒澤組の常連となった。この頃から、三船の運命も変わっていったように思う。
三船は歳をとってからの貫禄ある様子もいいが、若い頃の野性味あふれる姿はそれ以上にいい。
 
彼の代表作はおそらくは黒澤明と組んで作った作品だと思うが、今回は「将軍 SHOGUN」を取り上げたい。本作はアメリカで作られたテレビ映画である。
江戸時代初期、オランダ船が日本に漂着する。イギリス人の水先案内人のジョンは日本という特殊な国で戸惑い、活躍する。これは、実在の人物であるウィリアム・アダムス(三浦按針)がモデルだ。
三船敏郎は、徳川家康がモデルの吉井虎長を演じた。
 
この作品を観たのは、高校生の時だ。日本が舞台のダイナミックな映像にテレビジョン受像機の前で興奮した。
ナレーターは名優のオーソン・ウェルズが担当したので、次に観る機会があれば、英語版で観てみたい。
 
 もう、三船敏郎のような大物スターは生まれてこないだろう。私は彼と同じ時代を生きることができ、誇りに思う。
 

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