みゆき野球教室

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眠狂四郎勝負

うどんが急に食べたくなった。
勤務先の放送局の社員食堂にはうどんがないので、明日は外でうどんを食べようと思う。
 
子供の頃、浅草でうどんを食べたらすごく美味しくてお代わりをしたことがある。本当に美味しかった。
以前の同居人が四国の丸亀の人だったので、讃岐うどんをよく食べた。その頃はまだセルフのうどん屋があまりなく、恵比寿駅の駅ナカに出来た讃岐うどん屋で並んで食べたことがある。その後、讃岐うどんのブームが来て東京でも手軽に讃岐うどんが食べられるようになった。
 
母は鍋焼きうどんが好きだった。私はあまり好きではない。だが、歳を重ねることにより、少しだけ鍋焼きうどんが好きになりかけている。もう春本番で鍋焼きうどんの季節ではないので、次の冬には食べてみようと思う。
五代目の小さんの得意芸として「うどん屋」がある。江戸時代の夜鳴きのうどん屋の屋台の物語で子供の頃聴いて大笑いしたことがある。
 
映画で鍋焼きうどんといえば、今回取り上げる「眠狂四郎勝負」だ。
市川雷蔵主演でシリーズ化されたが、本作はその2本目。私は初めてこのシリーズを観た。
主人公の狂四郎は宿無し。ある時は吉原、またある時は柳橋、それに飽きたら長唄の師匠の家と女のもとで暮らしている。
高田美和演じる可憐な娘、おつや坊の二八そば屋の屋台も狂四郎のよく行く店で彼女は狂四郎をひそかに慕っている。その屋台では鍋焼きうどんも商っている。
 
物語は、新春の愛宕神社から始まる。ひょんなことから侍の息子とうだつの上がらない老いた侍と出会う。そして物語は展開していく。謎の占い師としてまだ若い頃の藤村志保が出ているが、とても美しい。
 
娯楽作品でありながら、芸術性も高く、この時代の映画製作の技術の高さがよくわかる。
日本映画は斜陽になり、時代劇はテレビジョンでしか制作されない時代が続き、受け継がれた技術や伝統は廃れていった。もったいないことだ。
 
市川雷蔵は若くして世を去った。日本映画の没落を見ずに逝ったのは、幸せだったのかもしれない。
 
※予告編はシリーズ第1作「眠狂四郎殺法帖」のもの。