みゆき野球教室

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金環蝕

不倫をしたタレントへのバッシングが止まらない。確かに不倫は悪いことかもしれない。でも、彼女を非難できる立派な人間っているんだろか? 仮にいるとしても、限度を超えている。弱い者は再起不能になるまで叩くのが美しい国、日本のルールなのか? 彼女は十分に制裁を受けた。
一方、大金を受け取っていながら1週間経たないと記憶が甦らない代議士は、バッシングをする人はいない。それどころか、秘書がやったルール違反を大臣の職を辞して責任を取った日本人の鑑、まさしく武士だと言って賞賛する神経がわからない。叩かれるべきは彼であって、小物のタレントなどではない。
 
政治家の汚職は今に始まったものではない。古くから脈々と受け継がれている。「越後屋、お主も悪よのう」というのは時代劇ではおなじみのセリフだ。
戦後最大の汚職事件といえば、ロッキード事件だろう。アメリカの航空機製造会社のロッキード社は、販売不振だったL-1011 トライスターを全日空に受注してもらうために、政界・財界を巻き込んでの工作が始まった。その結果、前総理大臣の田中角栄が代議士のバッジをつけたまま逮捕された。
田中は庶民派宰相として人気を集めた。小学校しか出ていないという学歴で首相まで上り詰めた彼を今太閤と呼ぶ者もいた。
 
苦労して頂点を極めて、一気に転落した田中は、公判中に亡くなり、公訴棄却となった。
私は、1983年(昭和58年)10月12日に彼が東京地裁で判決を受けるとき、裁判所や目白の私邸などを移動しながら彼の姿を追った。たまたまニュース映像に私が写っていたようで、友人からその報告を受けた。
 
「金環蝕」は、九頭竜川ダム汚職事件をモデルに、汚職事件を描いた。この九頭竜川ダム汚職事件にしてもロッキード事件にしても、なぜか不審死が問題になる。おそらくは全容が明らかになると都合の悪い巨大な力が合法的に闇に葬るのだろう。
 
冒頭の政治家の汚職も、一歩間違えると大疑獄事件に発展するところだが、これに関しては現政権と検察との話し合いはついていると見て間違いないだろう。つまり、悪人はいつも枕を高くして眠れるというものだ。