みゆき野球教室

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モダン・タイムス Modern Times

最近、よく泣く。辛くて悲しくて悔しくて。
生きているのが本当に辛い。人生には意味があるのか?
もしあるとすれば、辛いだけの人生って、どんな意味があるのだろう? むしろ、人生に意味がない方がスッキリする。天国もなく、神様もいなくて、死んだら全てが無になるならどんなにいいか。
 
映画では人生の意味を問いかける作品が多い。私はそれらを少々観すぎたようだ。人生に意味を求めてしまう。
 
チャップリンの映画には、運命に弄ばれ、社会から排除される弱い人たちが多く出る。「モダン・タイムス」もそのひとつだろう。
時代背景は、世界恐慌の嵐が吹き荒れ、仕事に就くことが出来ない暗黒の時代。合わせて、機械化による大量生産でニンゲンは機械の一部とされ、人間性も尊厳も否定される。
主人公のチャーリーは、大工場の工員としてネジを締めるだけの単純労働に従事していたが、ついに発狂して病院に収容される。
退院すると不況で工場は閉鎖され、仕事を失う。
ある日、チャーリーは親のいない少女と出会う。ふたりで一生懸命に生きて、自分の家を持とうとするが、世間の風は冷たかった。運命に翻弄され、涙を流す少女に、チャーリーは笑うんだ、と言いふたりはいつかやって来るであろう幸せに向かって歩き始める。
 
この映画の主題曲「スマイル」は、チャップリン自身が作曲した美しいメロディだ。涙を拭いて、笑うことの大切さを感じさせてくれる。
チャップリンがアメリカを追放された後、ハリウッドは大いに反省し、彼にアカデミー賞を授けた。1972年のことだ。その授賞式で、司会のジャック・レモンを始め全員で「スマイル」を歌った。
 
私も、もう一度涙を拭く必要があるのかもしれない。もう少しだけがんばってみよう。
 

地上より永遠に From Here to Eternity

大好きな歌手のひとりに、フランク・シナトラがいる。
フランキーは、本名をフランシス・アルバート・シナトラといい、フランシスは私の洗礼名と同じだ。
 
イタリア系のフランキーは、第二次世界大戦以前から歌手として、そして映画の主演として活躍した。
彼は、戦争が始まると自ら兵役に志願したが、身体検査で不合格となり、歌で兵士たちを慰問して回った。
戦争が終わり、彼の全盛期がやってくるはずだったが、大きなスランプになり、映画会社からもレコード会社からも見放される悲運を味わう。
そんな時に彼を救ったのが、今回取り上げる「地上より永遠に」という映画だ。「ここより とわに」と読む。
 
彼はそれまで演技は下手で大根と言われ続けてきたが、全精力を傾けて挑んだこの作品でオスカーを受賞している。歌ではなく、純粋に演技だけでの受賞だ。フランク・シナトラの俳優としての才能は、この作品で見事に開花した。そして、フランキーはスランプから脱出することが出来た。
 
彼の歌では「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)」、「カム・フライ・ウィズ・ミー(Come Fly with Me)」、ニューヨーク・ニューヨーク(New York New York)」が好きだ。
 
20世紀を代表する歌手で俳優のフランク・シナトラ。私は自分の名前を忘れても、彼のことは決して忘れない。
 

遠すぎた橋 A Bridge Too Far

映画ファンになった中学2年の頃。映画も好きだが、映画音楽も大好きだったことは以前書いたとおり。「ロッキー」のLPレコードが欲しかった。その後、お金を工面してレコードは買ったが、たまにしか帰ってこない父親が、どこで聞いたのかは知らないが、「ロッキー」のレコードを買って帰宅した。しかし、残念なことにそれはオリジナルサウンドトラック盤ではなく、編曲したものだった。
そこで父と二人でレコード屋へ行き、そのレコードを返品して新しいレコードを買ってもらった。それが、「遠すぎた橋」のオリジナルサウンドトラック盤だ。
 
遠すぎた橋」は、1977年に公開された戦争映画で、当時のオールスターが総出演していた。また、製作費も当時のレートで90億円の巨費が投じられた。
この作品は、史実に基づく。マーケット・ガーデン作戦という戦闘を描いた。当時のことだから、CGはなく、すべて実写で撮影された。空挺団がパラシュートで降下するシーンは、圧巻だった。また、爆破シーンも大量の火薬を使い、迫力があった。
 
すでにどんなストーリーかは忘れた。というより、公開された時も背景を予習していなかったので、ストーリーが頭に入って来なかった。それでも、私はこの映画を観て良かったと思っている。
まず、音楽がいい。サントラ盤を買ってもらったことにより、繰り返して聴いた。
そしてもうひとつ、これはロバート・レッドフォードのセリフだったと思うが、こんなセリフが心に刺さった。
「上の者が戦争ゴッコをしたいという。そうすると、下にいる兵士たちが死ぬ」といったものだ。
 
戦争を起こそうとする者や命令する者は安全な所にいて、最前線で戦う兵士たちは常に死と隣り合わせだ。自称先進国の某国も、三代目のおぼっちゃま総理が戦争をやりたがっている。彼は決して戦場には行かない。そして、死ぬのは、あるいは殺すのは私たちの息子や若者たちだ。
もし、どうしても戦争がしたければ、自ら最前線で指揮をとって欲しい。おぼっちゃま総理は、何かと言えば「私が最高責任者だ」と言っているのだから。
 

フライング・コップ POLICE SQUAD!

子供の頃、「あやまって海に落ちて死亡しました」というニュースを聞いて、なんで海に落ちる前に「ごめんなさい」って言うんだろうと思った。バカな子供だった。
大人になってもバカは治らず、まともな人間になれなかった。ごめんなさい。
 
「フライング・コップ」は、アメリカの刑事モノのテレビ映画だ。全編、おバカなギャグで満載の本当にバカな作品。登場人物は、みんな大真面目な表情でギャグを連発。かつてのバスター・キートンの手法だ。
 
主演は、レスリー・ニールセン。もともとは「ポセイドン・アドベンチャー」では船長役を演じるなど、シリアスで渋い俳優だったが、コメディに転じて一気に才能が開花した。
 
この作品は、たったの6話で打ち切りになってしまう。あまりに面白さがかえってお茶の間の笑いには受け入れられなかった。そこで、劇場用に「裸の銃を持つ男」として作られ、大ヒットした。シリーズ二作目の「裸の銃を持つ男 2 1/2」は私がアメリカで初めて観た映画で思い出がある。
 
大好きなギャグはたくさんあるが、中でもラストシーンでストップモーションになり、クレジットが流れる場面。フィルムを止めるのではなく、俳優が動くのをやめるだけなので、犯人が逃げたり、そそぎがけのコーヒーが溢れたりするあたりは大好きだ。
 
フジテレビは「33分探偵」でこの作品を全面的にパクった。恥ずかしい。
 

 

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 The Iron Lady

もうすぐ選挙だ。
参議院議員選挙に東京では都知事選挙も行われる。
選挙にはたくさんの金がかかるが、これは民主主義の手続きのため必要なコスト。これを否定したら、国民は大きな権利を失う。
 
今回の参議院議員選挙の争点はアベソーリはまた経済と言うが、実は憲法改悪。だが、多くの国民は騙されて、自公を勝たせて、アベは憲法を変えようとするだろう。
都知事選挙もあれだけ知名度だけで選んで痛い目にあったのに、同じように知名度で選び、またまた痛い目にあうことだろう。
イギリスでは、EU離脱残留かを決める国民投票が行われる。これも結果次第では日本の経済に大きな影響を与えるので、注目したい。
 
高校生の時、友達が生徒会長に立候補するというので、ゴーストライターを買って出たことがある。その友達は、圧勝で生徒会長の座についた。私も入閣するように要請があったが、断った。権力側にいたくないという気持ちが強かったからだ。
 
生徒会長選挙の投票率はほぼ100%だが、国政選挙などの投票率は極めて悪い。「あなたの一票が政治を変える」と言われるが、実際にはあなたが一票を投じたことでは何も変わらない。しかし、一票を投じなかったことで、大きく変わることはたくさんある。私達は血を流しながら選挙権を獲得した。次の選挙では、その権利を有効に使いたい。
ちなみに、棄権は権利であると言う人がいる。これは間違っている。権利を棄てるから棄権という。
 
マーガレット・サッチャーの伝記映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を何年か前に品川区の目黒シネマで観た。
サッチャーは、新自由主義を唱え、富裕層を富ませ、失業者を増やし、イギリスを疲弊させた。そんな彼女の生涯をメリル・ストリープが演じた。
賛否が大きく分かれる彼女の政治家としての実績だが、私は彼女を否定する。