みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

彼岸花

最近ようやくテレビジョンを見ることが出来るようになった。
心を病んで、テレビジョンを全く見ることができず、ラジオばかり聴いていた。
でも、1日中テレビジョンをつけていることはまだ出来ないので、見たいプログラムの時間になってスイッチを入れ、終わったら決してラジオに戻る。
 
今好きなプログラムはNHK総合テレビジョンの「サラメシ」。中井貴一がナレーターで働く大人のランチを紹介する番組だ。
これを見て思うのは、世の中には色々な職業があるということ。特に、身体を動かして日々の糧を得る職業の人を見るのは楽しい。ホワイトカラーの職業は自分自身でも経験があるので想像できるが、身体を動かす人や職人さんの仕事は未知の分野なので興味深い。そして、このような人たちのがんばりによって世の中が回っていることがわかる。だけど、社会は理不尽なもの。このような人たちの所得はホワイトカラーの人たちに比べ、低い傾向にある。これは良くない。
 
中井貴一は二枚目俳優の佐田啓二の息子である。佐田は、小津安二郎と仲が良く、中井貴一の名付け親でもある。
松竹大船撮影所の前に月の瀬という食堂があり、そこの娘が中井の母である。月の瀬は、小津組の専用食堂のように使われていて、佐田啓二の子供達を小津はとてもかわいがったそうだ。
その佐田啓二は、若くして自動車事故でこの世を去る。中井貴一が3歳の時の話だ。
 
佐田は小津の作品にも出ていて、私が一番好きなのは「秋刀魚の味」だが、すでに取り上げたので今回は「彼岸花」を取り上げる。
この作品は小津にとって初めてのカラー作品だ。小津は作品中に赤い物を画面に挿入するのが好きで、赤の発色がいいドイツのアグファカラーが使われた。
 
また、この作品は私が小津安二郎が好きになったきっかけの作品で思い出がある。
大映の専属女優の山本富士子を借りて作った本作は彼女の京都弁がとても良かった。