みゆき野球教室

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天国にいちばん近い島

私はクリスチャンなので天国を信じる。
そこでは、永遠のいのちが与えられ、みんなが幸せに暮らすという。
どんなところだろうか? いまだかつて、天国から戻ってきた人はイエス・キリストを除いてひとりもいないので、きっと住みやすいところなんだろう。
でも、現世で苦しい人生を送っている私は、死んでもまだ生きるというのが辛く感じる。死んだら、肉体も精神も記憶もすべて失った方が幸せに思える。信仰が足りないのかもしれない。
 
仏教では生まれ変わりが信じられていると聞く。キリスト教にはない概念だ。
前世の記憶を持つ子供の話を読む機会があった。もし、生まれ変わりがあるとしたら、これも辛い。またニンゲンに生まれて辛い思いをして生きるのはゴメンだ。私は次の人生では幸せな飼いネコに生まれ変わりたい。
 
天国があるのか、それとも無しかないのか、あるいは生まれ変わるかは死んで見ないとわからない。
 
天国にいちばん近い島」は森村桂の紀行小説を角川春樹のプロデュース、大林宣彦のメガホンで映画化された。主演は原田知世。彼女は角川三人娘のひとりで、私は一番好きだ。
 
高校生の時、とにかく日本を出ようと思い、紀行小説を手当たり次第に読んだ。その中でも、この作品は思い出深かった。
 
今では、作品の舞台になったニューカレドニアは有名になったが、この小説が発表された1966年には誰も知らない島だった。映画が出来た80年代になってもそうだ。
森村桂がこの島に渡った頃は、海外旅行は自由化されていなかった。当然、直行便などはない。そんな中で苦労して渡った先で、色々なトラブルに見舞わられ、理想と現実のギャップに悩む。
 
この映画が公開された頃は、日本映画は二本立て興行だった。洋画も東京では一本立てだが、電車に乗って藤沢まで行けば二本立てだった。一本立ての鎌倉に住んでいた私は、電車賃をかけても隣町の藤沢まで行って観たものだ。
ちなみに、「天国にいちばん近い島」の併映は「Wの悲劇」だった。この作品は薬師丸ひろ子が主演だった。私の友達も端役として出演している。一瞬しか映らないが、ちゃんとセリフがあった。
 
辛い今の人生から現実逃避するため、また紀行小説を読んでみようと思う。