みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

二十四時間の情事 Hiroshima mon amour

今年も辛いが、去年の冬はもっと辛かった。一昨年の冬はさらに辛かった。それを考えると、少しは良くなっていると思う。
 
去年の今頃は広島に移住しようと思っていた。そんな中、広島を舞台にした「ラジオの恋」を観た。この映画が浮上のきっかけになった。それで広島に移住しようと思ったが、実現しなかった。下見に行ったものの、やはり私は日本では東京にしか住めないと思った。
 
広島は旅行で行くにはいいが、住むには良くない。これは私にとってであって、他の人にとっては住みやすい街だと思う。なぜそのような考えに至ったかというと、一時期広島に住んでいたことがあるが、良い思い出より悪い思い出の方が多いからだ。
 
広島を舞台にした映画は多い。しかし、その多くが原爆と関連のある作品であるというのは、あの街が背負った宿命なのかもしれない。ヤクザ映画の「仁義なき戦い」ですら原爆との関連が描かれている。前述の「ラジオの恋」は原爆とは関係のない稀有な作品だ。
そして今回取り上げる映画もまた原爆に関連した作品だ。「二十四時間の情事」は、原爆投下後の復興途上の広島が舞台の映画だ。
 
フランス人の女優は反戦映画の撮影のため広島にやって来る。彼女はナチスの将校の恋人がいたが、戦後そのことにより糾弾される。
日本人の建築家は、原爆によって家族を全員失う。
そのふたりが、広島で出会い、恋に落ちる。ふたりに与えられたのは、たったの二十四時間。
 
舞台となった広島は、私の父と母が青春時代を過ごした時期。ふたりは出会い、その後私は生まれる。父は原爆投下の時は呉市にいて、母は原爆投下後に入市している。そのためか、彼女は病気がちだった。それは私にも受け継がれた。
父と母が、そして幼い私が見た広島の街がこの映画にはたくさん出てきる。
 
映画の撮影中、主演女優は父と母が過ごした小さな港町を訪れたという。私のルーツとこの映画はどこか関わりがあるような気がしていたが、それをあとで知った時には納得した。

さて、今年は映画館で50本の映画を観ようと思っているが、1月は3本観ることができた。
寒い日は続くが、確実に春は近づいている。休み休みでもいいので歩いていこう。