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超高速! 参勤交代

とにかく面白い映画だ。時代劇としても、映画としてもよく出来ている。
 
湯長谷藩・藩主の内藤政醇は、ビンボーながら領民のための政(まつりごと)を行う名大名。気さくで誠実な人柄は、家臣や領民に愛されている。
その政醇が江戸で一年の勤めを終えて国に帰ってきた。しかし、骨を休める間もなく江戸から早馬がやってくる。書状には、至急参勤せよと書いてある。だが、参勤にはカネがかかる。その上、期限にはどうしても間に合わない。参勤できなければ、お家は断絶、政醇は切腹
 
藩内に一番のアイディアマンがいる。家老の相馬兼嗣だ。相馬は、カネをかけずに、そして期限に間に合う方法を思いつく。
さてさて、政醇は間に合うのだろうか? 道中、隠密に命を狙われ、政醇の恋もあり、ハラハラドキドキで息もつかせない。
 
この参勤劇の裏には、老中首座の地位を狙い、湯長谷藩の金山の利権を我が物にしようとする松平信祝の暗躍があった。果たして、彼の悪事は実を結ぶのだろうか?
 
劇中、佐々木蔵之助演じる内藤政醇と、陣内孝則演じる松平信祝は好対照で描かれる。政を民百姓のために行う政醇は、道中彼が過去に行った善行に救われる場面がある。一方、政を自らの地位と名誉、そしてカネのために行う松平は、同じく自らの悪行が祟り、墓穴を掘る。
 
いつもこのブログで書いているが、日本の総理大臣、安倍晋三はまさに松平のような政治家だ。国民のことを顧みず、自らの欲のためだけに政治を行う彼も、いずれ墓穴を掘るだろう。
 
昨日のブログで書いた「ライスカレー」に主演した二人。「劇場版 タイムスクープハンター」に出演した時任三郎は、武士の中の武士だった。今回の「超高速! 参勤交代」の陣内孝則は、とても悪い武士だ。期せずして、同じ日に観た二つの作品でこのような好対照の結果になった。もちろん、実物の陣内孝則はきっといい人だろうし、もしかすると時任三郎はとんでもなく悪い人かもしれない。
 
さてさて、この作品には、将軍・吉宗役で市川猿之助が出ている。私は彼が亀治郎の時から贔屓にしている。一度、テレビスタジオで会ったことがあるが、小柄ながら大きく見せる役者だった。彼の育ちの良さは、後からでは決して身につけることができない。
 
来年には続編が公開されると聞く。今から楽しみだ。