みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

ツレがうつになりまして。

観終わった後、いい映画と出会えてよかった、ありがとう、という気持ちになる作品はそう多くない。

今日は、久しぶりにいい映画と出会えた。
 
Netflixが日本でもサービスを開始したので、早速加入して楽しんでいる。先行している同様のサービスに比べると、ラインナップはまだ乏しいものの、SD規格なら600円ちょっとという手頃な価格設定で人気になると思う。
 
初日は、作品リストの中から観たい作品をマイリストに登録し、昨日から本格的に観始めている。その4本目に「ツレがうつになりまして。」を観た。
 
私は21歳のときにうつ病になり、以後30年近くこの病気と付き合ってきた。症状が重くて働けないときは、同居人に食べさせてもらった時期もあるし、症状が良くなった時期もある。最近はかなり重い症状に苦しむことがあったが、なんとか持ち直し光明が見えてきた。
何度自殺を企画したかは覚えていない。死ぬのが怖くて死ねなかった。
 
今ではうつ病に対する社会の理解も深まってきたが、以前はひどいものだった。それがもとで命を絶つ人も少なからずいた。
また、悪意はないものの「がんばれ」と励ます人もいた。
 
クラシック音楽と妻を愛するサラリーマン「ツレ」は、とても几帳面な性格。対して売れない漫画家の妻「晴さん」は、マイナス思考の持ち主。
ある日、ツレはうつ病になり死にたくなる。晴さんの勧めで精神科を受診し、会社を辞めて療養に励む。妻の愛に支えられ、一時は驚くほどの回復を見せるが、その夜にはさらに症状が落ち込むという「うつ病あるある」というネタを織り込みながらドラマは展開する。
いくら愛していても、そして理解しているつもりでもきれいごとでは済まないこともある。しかし、それらを乗り越えて、やっとツレにも光りが見え始めた。
 
主人公の晴さんには、宮崎あおい、ツレには堺雅人。二人は大河ドラマ篤姫」以来二度目の夫婦役。宮崎あおいは、とてもかわいい。私も彼女のような女性になりたいと思う。堺雅人は、本当にうつ病になったかのような繊細な演技。
 
私は、うつ病になって良かったとは思わなかった。よく言われる。うつ病になったことによって、いろいろなものを発見できたと。でも、うつ病ってそんなにきれいな病気ではない。ただただ、社会に迷惑をかけている自分が申し訳なく、死にたいという気持ちばかりだった。病気が良くなっても、うつ病で失った時期を悔やむことばかりだった。
しかし、今年の冬、それは私の生涯で最も厳しい冬を過ごしたが、やがて雪が溶けて春の予感がしてくる頃、気持ちが変わった。今の自分は、神様によって生かされていることを知り、周りの人の援助に感謝できるようになった。そして、ある日の教会のミサで、私は神様の愛に触れ、号泣してしまった。
それ以来、薄皮を剥がすように少しづつ病気は良くなった。
 
うつ病は一度治っても、何度も再発を繰り返す恐ろしい病気だ。私も、幾度となく再発して奈落に突き落とされた。でも、今のいい状態に感謝して生きようと思う。そして、また再発しても、きっと治ると信じて生きていきたい。
 
劇中にもあったが、壊れずに残った、ただそれだけで尊いのだと思う。世の中になんの貢献ができなくても、最後の日まで生き抜いたことがきっといちばん大切なことだと思う。神崎はきっと褒めてくださる。