みゆき野球教室

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めぐり逢い An Affair to Remember

私の会社の採用試験も終わったが、6月に解禁されてからは、優秀そうで希望に満ちた若者たちがたくさん来局していた。
みんな同じようなスーツを着て、同じような髪型で個性などまるで無く、画一的だった。ただし、着ているスーツはJプレスなどの高級な物。1着9,800円くらいでイオンやダイエーで売られているようなスーツを着ている若者は皆無だった。さらには、みな歯列矯正を済ませており、育ちの良さそうな若者ばかりだった。つまり、ビンボーな家に生まれれば、どんなに学業に優れていてもエントリーすら出来ないのだ。無情だ。
 
日本は子供の頃から画一的な人間を作ることに長けている。これは、古くは軍隊での生活に対応させるため、戦後は工場での労働に対応させるためだ。さらに言えば、権力に対して素直に従わせるため、自らの考えで行動するのでは無く、上からの命令や指示で素直に動ける人間を養成する。
学校では「起立」「礼」「気をつけ」「休め」などと軍隊式の号令で人を従わせる。恐ろしい。
 
近所のマクドナルドで茶髪のおばさんが働いている。いいことだ。サービス業や接客業は髪の色について厳しい社内規定があり、明るい髪色では仕事に就けない会社が多い。しかし、茶髪でも金髪でも赤い髪でもちゃんと接客してくれれば、客として何の問題もないし、それらの人に対して不快だとは思わない。髪の毛の色は黒に限る、という規則は肌の色は黄色でないといけない、というのと根本では同じことだ。人間には生まれつき色素が無くて黒以外の髪の人もいる。差別をする企業や店舗は不買で対抗したい。
 
日本人はよく働く。朝から晩まで、さらには給料の出ない始業後も休日も働く。しかし、一人当たりのGDPは先進国中下から数えた方が早い。一方、イタリアは日本人より働かないし、バカンスも十分に取る。だけど、GDPは高い。日本人も働きすぎをやめ、自分の意思で動き、権力に批判的になればもっと豊かになり、みんな幸せになるが、おそらくは私が生きている間は無理だろう。
 
もし、私に十分なお金と時間があったら、船で旅をしたい。太平洋横断や世界一周の豪華客船に乗りたい。
「めぐり逢い」は、そんな船旅で出会ったふたりの恋の物語。
洋上で美男・美女が出会い、恋に落ちる。ふたりは、6か月後にエンパイヤステートビルの屋上で再会を約束して船を降りる。
6か月後、男は約束通りエンパイヤステートビルの屋上で待っているが、何時間経っても女は来ない。
 
この作品は、メロドラマの代表で、最大の傑作だ。私は残念ながらテレビジョンでしか観ていないが、その度に号泣する。
この作品は、のちにトム・ハンクスメグ・ライアンでリメイクされている。
もし、機会があれば、皆さんにこの名作を観て欲しい。