人生スイッチ Relatos salvajes
私は日頃から運について考え、発言している。運がないと、何をしてもダメだと考えている。これに対して、多くの人は努力の方が必要だと反論する。だが、運がないと努力できないことも再三書いた。
ここはドゥラメンテの力が数枚抜けている。しかし、私はこの馬は勝てないて思った。東京優駿(日本ダービー)で運を使い果たしたと思ったからだ。ダービー後に不運に見舞われる人馬を多く見てきた。この馬も、そうだと思った。ダービー後に骨折、復帰戦は勝ったものの海外遠征では出走前に蹄鉄が外れて、2着に敗れた。今回も不運により勝てないと思った。
馬券はキタサンブラックの単勝を買った。逃げてゴール前粘るところ、マリアライトに交わされた。外からはドゥラメンテも来ている。結局、3着だった。ドゥラメンテはよく追い込んできたものの2着。やはり、運に見放された馬はこうだと思った。
だが、悪夢はこれからだ。ゴールを過ぎて、ドゥラメンテの騎手ミルコ・デムーロが下馬した。故障発生のようだ。そして、馬運車に乗って運ばれて行った。いくら運に見放されたといっても、この仕打ちは厳しすぎる。本稿を書いている時点でまだ故障の状態は判らない。予後不良で安楽死になることも考えられるし、競走能力喪失で引退することもあり得る。無事であっても、休養は避けられず、秋に予定されているフランスの凱旋門賞挑戦のプランは白紙になるだろう。どうか、命だけは助かってほしい。
不運は連鎖する。
「人生スイッチ」は、そんな不運の連鎖を描いたアルゼンチンの映画。ほんの些細な不運が大きな不運を呼んでしまう。6つのエピソードでそれを描いた。
人生には、決して押してはならないスイッチがある。
新しい1週間が始まった。今週は、どうか無事に過ごさせてもらいたい。