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ザ・ファーム 法律事務所 The Firm

富裕層や大企業がタックスヘイブン租税回避地)に莫大な資産を移転して正規の課税を逃れていたことがパナマ文書により明らかになった。
 
タックスヘイブンに資産を移転することは違法ではないが、国の指導者層は国民に正しい納税を促す役割があり、その指導者がこの制度を利用することは税の公平性の立場からはアウトだろう。実際、国によってはトップの首がいくつか飛んだ。
 
資産を移転出来る金持ちと違い、私たち庶民はマイナンバーと紐付けされ、1円の単位まで税金を納めることが要求される。さらに言えば、その税金が私たちのためというより、大企業、富裕層、そして政治家に還流される仕組みが完成していて、ますます納税の意欲は失われる。
もし、彼らが国内で正規の課税を受け納税していたら、増税という事態は避けられる。
 
タックスヘイブンに資産を移転する目的は、もちろん節税のためだが、もう一つの大きな目的はマネーロンダリング資金洗浄)だ。不正な方法で稼いだカネをタックスヘイブンに送り、きれいなカネにする。マフィアや暴力団が多く使う手段だが、大企業や富裕層も少なからずいるらしい。
つまり、このような制度を合法化しているということは、反社会的な勢力を維持することと同じだ。
 
ハーバード法科大学院の上位5人には入る優秀な成績で卒業を予定していたミッチは、大手の法律事務所から破格の待遇で誘いを受けていた。彼は苦学生で理想家。そんな彼が選んだ法律事務所は、南部にある税務専門の小さな事務所だった。
 
希望に燃えて精力的に働き始めたが、その事務所はマフィアの資金タックスヘイブンケイマン諸島に移し、節税とマネーロンダリングを指南していたことを知る。
ある時ミッチはFBIから極秘ファイルのコピーを渡してマフィアの撲滅に協力するように要請を受ける。ミッチはある条件を出し、引き受けるが、そのためにFBIからも法律事務所からも狙われるようになる。もし、彼がファイルを渡しても秘密を漏らしたことにより弁護士資格は剥奪され、さらにはマフィアからも命を奪われる。ミッチは合法的に問題を解決する方法を考えるが…。
 
トム・クルーズはいつものように危険な場面もスタントなしで演じている。また、若くてハンサムだ。
法律を描いて少し難しいが、観ごたえのある作品だった。