みゆき野球教室

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おっぱいバレー

「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」という言葉がある。

日本では「先生」という言葉がインフレ状態だ。どんな人にも「先生」という。政治家、医師、教師、美容師、占い師、漫才師、そして競馬の予想屋まで先生だ。
 
本来、尊称として使われていたが、安っぽい敬称になってしまった。
中には尊敬に値する先生もいれば、馬鹿にする対象のセンセイもいる。私は敬称はどんな偉い人に対しても「さん」で統一しているが、どうしようもない人にはセンセイと呼ぶこともある。
 
人のことを先生と呼ぶのはいいが、自分のことを先生というのは違和感がある。「将来は先生になりたい」とか「(自分を指して)先生になんでも言ってください」とか。
そういえば、ある受験予備校の広告で顧客である生徒は呼び捨てで、雇用関係、あるいは契約関係にある身内である講師に対しては先生というものを見たが、苦笑するしかなかった。
 
競馬の世界では調教師のことを先生という。例えば、師弟関係にある騎手が先生というのはまだいいが、一般の競馬ファンまでもが通ぶって先生というのは滑稽だ。
前にも書いたが、落語の世界では師匠のことを第三者に話す時は呼び捨てにする。これが本来の姿だと思う。
 
おっぱいバレー」は大好きな綾瀬はるかが主演の映画。自信を失った教師を演じている。彼女は新しい任地でバレー部の顧問になるが、そのバレー部は「バカ部」と言われているダメな生徒が集まったところ。彼らのやる気を引き出すために試合に勝ったらおっぱいを見せることを約束する。
 
映画界では監督も先生と呼ばれていた。しかし、民主的な松竹では助監督たちは絶対に監督を先生と呼ばなかった。唯一、小津安二郎を除いて。
テレビドラマ出身の羽住英一郎監督は、現場ではなんと呼ばれていたんだろうか。そもそも、未だに映画監督を先生と呼ぶ風土はまだ残っているのだろうか。