マネー・ショート 華麗なる大逆転 The Big Short
東京株式市場は下落が止まらない。今年の始めに1990年、つまりバブル景気崩壊の頃の相場に似ていると書いた。その通りに進行している。
アベシンゾーは物価を2%引き上げると宣言した。これに関しては否定するものではない。デフレはインフレよりも深刻な問題だからだ。だが、そのために行った政策が間違っていた。円安にして株価を上げようとした。一旦はうまくいったように見えたが、やはりここにきて綻びが出始めた。
物価を上げるためには、賃金を上げるのが一番良い。所得が増えると消費が増える。消費が増えると設備投資が促進される。企業の業績は向上し、税収が増える。所得はさらに増え、消費が増える。このように、いい循環が始まる。
しかし、経済に疎い、否、頭そのものが悪いアベシンゾーは金持ちはより金持ちになり、ビンボー人はさらにビンボーになる政策を行った。結果はご覧の通りだ。
結局今回の「好景気」も、前回同様庶民が潤わないうちに終わることになる。
金持ちはすでに資産を海外に移転し、この先日本が沈没しても無傷で生き残るだろう。
それを考えると、アベシンゾーはすごく頭がいい人なのかもしれない。
ところで、日本では「空売り」を悪いものと考える人が多い。去年、旧村上ファンドの村上世彰氏が金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で強制調査された。村上氏は空売りで株価を意識的に下落させたと疑われた。その際に「逮捕されても遵法意識のない人だ」と叩かれた。だが空売りは法律で認められた立派な経済行動だ。空売りをすることで、マーケットにいるべきではない企業や商品、サービスなどを退場に追い込む機能を持っている。資本主義社会では、財やサービスを買うことは信任投票であり、空売りは不信任投票だ。
私も価格の上昇で利益を上げるより、価格の下落で利益を上げることの方が得意だ。
さて、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の予告編を先日映画館で観て、真っ先に鑑賞リストに加えた。3月4日、公開が予定されている。