女王陛下の007 On Her Majesty's Secret Service
夢に皇族が出てきた。
天皇は酔って踊り、皇后は年金を払っていないことを気にしていた。
遠い世界に住む人も、私たちと同じ人間なんだと感じた。
右翼は天皇を国家元首にしようとしているが、実際は天皇を利用したいだけで決して敬いの気持ちを持っていない。それよりも、天皇制を否定する左翼の方が天皇に対して尊敬の念を持っていると思う。少なくとも私は、明仁の平和への努力に対して尊敬している。
いつの時代も為政者は天皇をいいように利用してきた。歴史を学ぶと明らかだ。
日本の皇室に比べ、英国の王室は開かれていると聞く。実際に住んだことも行ったこともないので、肌感覚としてはわからないが、おそらくは正しいだろう。
英王室は男子は従軍するし、アン王女は競馬騎手のライセンスを持っている。女王は競走馬の馬主であり英国競馬界の最大のパトロネスでもある。
「女王陛下の007」はシリーズの中では異質の作品だ。ジェームズ・ボンド役はジョージ・レーゼンビーが演じたが、彼はこの作品以外ではボンドを演じていない。たった一回の登板だった。また、ボンドガールが死亡する最初の作品でもあった。興行成績も振るわなかった。それでも、ファンの中には本作こそがボンド映画の本命という人も少なからずいる。
007を今では「ダブルオーセブン」と言うが一昔前は「ゼロゼロセブン」と言っていた。淀川長治はたまに「ゼロゼロナナ」と言っていた。
ちなみに、大橋巨泉こそは日本のジェームズ・ボンドだと言ったのは映画評論家の町山智浩だ。まだ海外旅行が一般化する前から海外に出かけギャンブルに釣りに、そして美女たちにと華麗に生きた彼は、日本人には憧れの対象だった。容姿はともかく。町山智浩の説も一理あると思った。