みゆき野球教室

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就職戦線異状なし

企業各社においては、採用するつもりが無いのにハローワークにに求人を出すのをやめてもらいたい。
求人を出す側は、無料だったり、あるいは助成金が貰えるが、応募する側はコストをかけている。
 
今、ハローワークの求人に応募する際は、このように指導される。
書類はA4で折らずにクリアファイルに入れる。履歴書専用の大きな封筒に入れ、定形外郵便で送る。写真も自動写真ではなく、スタジオ撮影。1通送るのに、400円程度のコストがかかる。そして、数社送るので、かなりの出費となる。
 
名前も聞いたことが無い零細企業の求人に、50人も100人も応募してくる。その中から一人でも採用すればいいが、期間を過ぎても、同じ条件でまた求人を出して来る。
 
採用する意思が無いのに求人を出すには目的がある。例えば、業績が良いように見せるため、つまり銀行から追加融資を受けるためだ。また、助成金目当てのこともある。
 
一方、求人を出しても誰ひとり応募してこない、求職者は仕事を選びすぎている、と批判する経営者もいる。しかし、その会社の求人を見てみると、最低賃金こそクリアしているものの、生活できない給料であったり、週休2日制でなかったり、社会保険がなかったりと求人側の問題であることが多い。
 
職業訓練を受けていた時、学校にハローワークの職員が来たので全校生徒がいる前で聞いたことがある。「ハローワークは空求人ばかりだと言われているが、本当か?」。答えは本当だということだ。ハローワークとしても「指導」はしているが改まらないとも言っていた。
 
また、応募する時の煩わしさも解消してほしい。未だに履歴書は手書きで送れと求めてくる時代錯誤な会社も多い。曰く、手書きで誠実さを見せろ、とか文字には人柄が出るという。ならば、不採用の通知も手書きで送ってほしいし、採用担当者は筆跡鑑定の占者に転じて生計を立ててほしい。Webからか、せめてメールで完結出来るようにして欲しい。求職者は暇では無い。

あとは、どの会社も給料が安い。特に、映画館や書店などは最低賃金プラス1円というところが多い。やりがい搾取だ。それと、ほとんどの会社は労働基準法を守っていない。「労働基準法を守ると潰れる」という経営者がいるが、そんな会社は潰れるべき。商品を盗んで売ってはいけないように、労働者から盗んではいけない。「中小企業は労働基準法を適用されない」と本気で信じている経営者もいる。これも潰れて良し。
 
就職戦線異状なし」は、バブル期の終わり頃の、空前の売り手市場だった時代の大学生の物語。
この映画が公開された時、私はとても辛かった。私はこの時点では大学に行かせてもらえなかったので、働くとしても無名の会社ばかりだったからだ。その上、やらせてもらえる仕事は体を使うものばかり。一方、大学生は有名な会社でやりたい仕事ができる。学歴がないものは、どんなに努力をしても、彼らのようにはなれない。
その上、私は一般企業ではなく、映画界を目指していたので、バブルの恩恵を何一つ受けることがなかった。
 
社会人になり、自分のお金でようやく大学を卒業したが、すでにバブルは崩壊していて、まともな就職はできなかった。