みゆき野球教室

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狼たちの午後 Dog Day Afternoon

今日は電車で2回席を譲ってもらった。体調は悪くなかったが、ありがたく座らせてもらった。
夏にバンコクにいた時も、何度か西洋人の男性に席を譲ってもらった。
もしかすると、体型から妊婦さんに間違えられたのかな。でも、日本もまだまだ捨てたものではない。
人に優しくされると、こちらも優しくしたくなる。こうした優しさの連鎖が、きっと住みやすい社会を作るんだろう。
 
自らの愚かな意思決定の結果、辛い思いをしたが、少しずつ浮上しつつある。次は、きっとうまくやろう。
 
人は間違える。Twitterで同性愛者を異常動物と書いた海老名市議の鶴指眞澄氏に対して、議会は辞職勧告を決議した。当然の結果だ。彼は元からの思想も間違っていたし、その後の釈明も火に油を注ぐだけの稚拙で卑怯なものだった。
私も、最初にこのニュースに接したときには厳しい処分を望んだ。しかし、今は少し気持ちの変化がある。失敗したときに、いきなり全てを失うくらいの処分は不健全のような気がする。やり直すチャンスを与えるべきだと思う。今の日本は、失敗を許容する精神に欠ける。
では、鶴指議員にはどのようなことが必要だろうか? 政治家は政治の世界で信頼を回復するしかない。例えば、海老名市に住んでいるLGBTの人たちと語り合い、彼らが困っていることや望んでいることを学び、彼らが住みやすい海老名市にするのが最初の仕事だろう。その先もいろいろ仕事はあると思うが、私は政治家ではないので思い浮かばない。優秀な大学を出て、立派な職歴のある鶴指議員ならきっと自らの信頼を回復し、海老名市を世界一LGBTが住みやすい街にすることは出来るだろう。
もし、議員を辞めたとしても、私人としてLGBTの人たちに謝罪し、償うことは必要だ。
 
私が映画の中で初めてLGBTに接したのは、「狼たちの午後」だった。
ニューヨークはブルックリンのチェイスマンハッタン銀行で起こった実際の銀行強盗をストーリーの下敷きにしている。この事件が大きく話題になったのは、犯行の動機が恋人の性別適合手術の費用を手に入れるためだった。
犯行は、結局は失敗に終わるが、この映画の収益から性別適合手術の費用が出され、犯人の恋人は晴れて女性になっている。しかし、彼女は映画化から12年後にエイズで亡くなっている。今ほどエイズの知識がない時代、多くの人が命を落とした。
 
たとえ、恋人の性別適合手術の費用のためと言っても、犯罪は決して認められるものではない。しかし、差別されて八方塞がりになり、犯行に及んだことを考えれば、同情してしまう。
 
LGBTだけでなく、あらゆる差別がない時代はおそらくは到来しないだろう。でも、少しでも差別のない世の中を目指したい。そのためには、私は隣人に優しくしようと思う。