みゆき野球教室

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男はつらいよ 寅次郎紅の花

人間というものは、いかに弱く、愚かであるかは映画を通してたくさん学んだ。そして、こんな人間にだけはなるまいと決心するが、よくよく振り返って自分を見てみると、映画の中のそれよりもひどい人間であることに気づく。
 
私は最近、大きな意思決定を行った。それは、死ぬほど苦しい現実があり、自死をするよりも、それを回避することを選んだ。結果的には、もっと辛い現実が待ち構えていた。結果論になるが、逃げずに進んでいればよかった。
 
しかし、後の祭り。今は、それをリカバリーするために努力する以外にない。
私がもっと賢い人間だったら、意思決定に誤りはなかっただろう。思えば、人生でいろいろな意思決定を行ったが、その多くに失敗している。そんなことがあるから、ある時点まで戻り人生をやり直したいという欲望が他の人より強いんだと思う。
 
日本映画でダメ人間の代表は寅さんだろう。しかし、彼には帰る場所もあり、優しい妹もいる。きっと私よりは幸せだと思う。
寅さんの甥で、博とさくらの息子の満男も、寅さんの血を引いてダメ人間だ。しかし、彼が根性を見せたことがある。
 
男はつらいよ」シリーズの最終作、「男はつらいよ 寅次郎紅の花」で満男は後藤久美子演じる泉に思いを寄せていたが、ついにその思いを伝えられず、泉は結婚することに。しかし、満男は男になる決心をする。レンタカーで泉が結婚する田舎の村に乗り付けて、細い道で鉢合わせ。結婚する泉の車は戻ると縁起が悪いので、満男に後退を促す。だが、満男は一歩も引かずについに泉の車を後退させてしまう。この一件で、結婚式は白紙に。
 
本来なら、次作で満男と泉は結婚しただろう。しかし、渥美清の死により、本作で長い歴史は終わった。でも、きっとフィルムの向こうの世界では満男と泉は結婚して幸せに暮らしていることだろう。そう信じたい。
 
私もがんばらないといけない。