みゆき野球教室

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幕末太陽傳

12月1日は、映画の日。1896年に神戸で映画が一般上映された日。
毎年この日は、各映画関連の団体が映画に貢献した人の表彰を行ったり、記念の上映会を行っている。
私が若い頃は、興業組合主催のチャリティ映画会があり、お蔵入りした名作映画を上映し、組合加盟の全映画館の3か月フリーパスが当たる抽選会があった。
今では、割引料金で映画が観られる日になった。地域にもよるが、1,000円とか1,100円が多いようだ。これくらいの料金なら映画館に行く回数も増えるが、現状の1,800円だとかなりの割高感がある。その上、映画館での飲食は高いし、パンフレットは薄っぺらいし、おまけに映画泥棒と称して観客を疑うこともしている。これでは映画館で映画を観る人は減ってしまう。
 
もうすぐお正月映画が公開される。映画館によく通っていた時は、ときめいたものだ。
今年の目玉は「007 スペクター」と「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」だろう。
007シリーズは私が生まれる前から、スター・ウォーズは中学生の時に最初の作品が公開されたので、どちらも息が長い。
 
テレビジョンでショーン・コネリーのシリーズが放映される時は、若山弦蔵が吹き替えを担当していた。低音の渋い声で男のセクシーさがうまく表現されていた。
若山は音楽にも造詣が深く、1968年からTBSラジオで番組を持っている。私が一番覚えているのは、夕方の生ワイド番組で、その中のコーナーに「小沢昭一の小沢昭一的こころ」だ。
初めて聴いたのは、高校3年生の冬。自動車教習所へ向かうバスの中だった。山本直純のお囃子のあと小沢の軽妙な口演で架空の中年男の「宮坂さん」の悲哀を中心に語っていく。その話芸は落語的でもあり、演劇的でもあった。
その小沢も亡くなって、話術で聴かせる人は少なくなった。
 
小沢昭一が出演した「幕末太陽傳」は、初めて観た川島雄三の作品だった。小沢は、あばただらけの顔のアバ金を好演した。
川島雄三は若くして死んだ。いい人から先に逝く。私はきっと長生きをするだろう。