みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

大脱走 The Great Escape

私は騙されやすい。
若い頃は、怪しい金儲けの商材や情報にたくさんの授業料を払ってきた。もし、それらが本物なら今頃はタワーマンションの3階に住んでいただろう。
 
詐欺にあったこともある。その人は大学教授の息子と名乗り、自家用機で日本中を回っているという。次は沖縄へ行くので一緒に行こうと誘われた。友達も誘って楽しみにしていた。しかし、当日になって彼はやって来なかった。後になって、ヒコーキが故障して行けなくなったと言われた。その時点で気が付けばいいのだが、まだ騙され続けた。
結局彼は、善意で泊めてもらった施設の金品とともに姿を消した。私は経済的な被害は受けなかったが、実に鮮やかに騙された。プロの手口とは、このようなものだ。
 
私が大学で経済学と投機学を学んだ師匠は、詐欺の研究でも第一人者で、よくその話を聞く。プロは決して仕事が終わるまで騙されていることを悟られない。腕のいいプロは、死ぬまで騙されたことに気づかせないし、最上級の詐欺師は自ら進んで財物を差し出すように仕向けるらしい。
 
騙すよりも騙される方が多分いくらはマシだ。だから、騙されていると気づいていても騙されることがある。
 
騙していることが、ちょっとしたきっかけでバレることがある。例えば、英語が得意だと言っている人が、カバンのことを「バック」と言ったり。そういえば、最近見た夢で私は外国語が得意だということになっていたが、それが嘘だとバレて恥ずかしい思いをした。夢でよかった。
 
映画でも、用意周到に騙そうとしたが、ちょっとしたことでばれる場面がある。
「大脱走」にそんな場面がある。ナチスの捕虜収容所から脱出し、フランス人を装って逃走を図るも、英語で「グッドラック」話しかけられて「サンキュー」と答えたために英米人だとバレる。
 
この作品は、自由を手にするために命を賭けた男たちの物語だ。一番有名な場面は、スティーブ・マックイーンがドイツ軍のオートバイを奪って逃走するところだろう。
私は、この場面よりも脱出用のトンネルを掘って残土をズボンの裾を通して屋外に捨てる場面が好きだ。実はこの場面、1937年のフランス映画、ジャン・ギャバン主演の「大いなる幻影」で使われている。「大脱走」のこの場面は、「大いなる幻影」のオマージュだ。
 
脱走劇は、多くの犠牲を出してわずかな者たちだけが自由を手にした。やはり、戦争はすべきではない。
現実社会を見ると、テロが起き、それに対して報復の空爆が行われ、暴力の連鎖が止まらない。もしかすると、第三次世界大戦は、そう遠くない未来に起きるかもしれない。安倍政権は、70年間の平和を捨てて戦争ができる国に舵を切った。日本人も、たくさん死ぬのだろうか? バカな為政者の失政のために死ぬのは嫌だ。