みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

グレン・ミラー物語 The Glenn Miller Story

子供の頃のはなし。

近所の食料品店に朝のパンを買いに行った。昔は、生鮮食料品はその日に買ってその日に消費するのが一般的だった。パンも同じ。

その食料品店には、店番のおばさんが不在だった。しばらくして、近所の友達がやってきた。彼は、やはりパンを買いに来たのだが、家族でパン食なのは彼とその兄だけなので、食パンの3枚入りを買おうとしていた。

私は、その子にお店の秤を使って3枚入りのパンよりも6枚入りのパンの方がお得だと一生懸命にプレゼンテーションを行った。その子は、納得して6枚入りのパンを買って帰った。私は、いいことをしたという気持ちで清々しかった。

すると、その子の母親が怒鳴り込んできた。3枚でいいので買いに行かせたのに、なんで6枚を買わせたんだと。繰り返すが、その子は納得をして6枚入りのパンを買った。押し売りをした訳ではない。私は大泣きをした。

 

私には、人前で話しをする才能に恵まれた。それに気づいたのは、大学でのプレゼンテーションの授業だった。期末にプレゼンテーションのコンテストをするのだが、当時学生でありながらすでにプロの司会者として活躍していた同級生を押しのけて、私が優勝してしまった。

 

私のプレゼンテーションのお手本は、まだアップル信者しか注目していなかったスティーブ・ジョブズ。彼のプレゼンテーションに魅せられ、真似をしようと思った。最初は真似だったが、そのうち、落語を聴くことで身につけた「間」を取り入れることで聴衆を魅了できるようになった。

 

人前で話すことは好きだが、一対一で話すのは苦手だ。私は人見知りなので、うまく話せない。困ったものだ。

 

もし、映画を作る人になれなければ、司会者になりたかった。あるいは、映画評論家として、映画の素晴らしさを言葉で伝えたかった。残念ながらどれも叶わなかった。

私が若い頃は、まだテレビの映画劇場があり、淀川長治荻昌弘水野晴郎といった映画評論家の解説で映画と話術を学んだ。この三人はすでにこの世にいない。テレビの映画劇場もなくなった。残念だ。

 

そんなテレビの映画劇場で観て感動した作品の一つに「グレン・ミラー物語」がある。

伝説のジャズミュージシャン、グレン・ミラーの伝記映画だ。

私は、この映画を通りてジャズが好きになった。特に、グレンの時代のスインズ・ジャズが一番好きだ。

主演のジェームズ・ステュアーはアメリカの良心と言われた俳優だ。彼の妻にはアメリカの恋人、ジューン・アリソン。彼女のハスキーな声がいい。

自分のバンドを作りたいが、貧しい巡業音楽家ではその資金がない。そんな時、妻がへそくりを出して、無事に自分のバンドを持つあたりのエピソードが好きだ。

彼は、のちに陸軍に志願して、音楽で戦地の若者を励ました。しかし、慰問旅行の最中、ドーバー海峡上空で消息を絶ち、帰らぬ人となった。