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みゆき野球教室

ダメ人間の由佳さんが毎日0時に更新しています

太平洋ひとりぼっち

泳げないくせに、なぜかヨットに乗りたくなった。高校生の頃だ。

ちょうど、ヤマハが主催するヨット教室があったので参加してみた。

まずは、街中でヨットの基礎知識やロープワークを学んだ。その後、実技となるわけだが、ビンボーだったので受講できなかった。

その後、北鎌倉に住んでいる時に、江ノ島で3日間のヨット教室があり、参加する予定だったが、都合がつかずにキャンセルした。

それ以降、ヨットと関わることはなかった。しかし、ヨットは好きだった。

太平洋を単独で横断した堀江謙一青年の手記、「太平洋ひとりぼっち」を読んでいつかヨットに乗れることを夢見た。

 

時は流れ、1991年のサンフランシスコ。偶然入った海洋博物館に小さなヨットが展示していた。見ると、堀江青年が太平洋を渡ったマーメイド号の本物だった。それはそれは小さな船で、これで太平洋を渡ったということがいかに偉大なことかを知った。

私は、日本人であることを誇りに思うことはないが、この時ばかりは周りにいる人に日本人であることをアピールしたかった。

 

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江青年は、ほぼ密航だった。当時は、海外渡航は自由にはできなかった。捕まったら、逮捕され日本には帰れなくなるというリスクを背負っての航海だった。

約90日の航海は苦難の連続だった。彼は、死も覚悟した。そして、ある日、サンフランシスコが見えた時はどんな気持ちだっただろう?

この頃、日本では堀江青年に対してのバッシングが盛り上がっていた。「日本人の恥」、「犯罪者」というレッテルを貼られ、日本にいる親族が生きた心地がしなかったそうだ。

しかし、サンフランシスコに上陸した彼をアメリカは喝采で迎えた。それと同時に、日本人は手のひらを返したように堀江青年をヒーローに祭り上げた。この辺りは、今も昔も変わらない。日本の恥ずかしい部分だ。

パスポートを持っていなかった堀江青年のことを「コロンブスもパスポートは持っていなかった」と言ったそうだ。もし、アメリカの青年がパスポートを持たずに日本にやってきたら、逮捕され、厳しい沙汰が下るまで人権を無視した拘束が続くだろう。日本は菅官房長官も口癖のように言う「法治国家」だから。

 

石原裕次郎主演で、この手記は映画化された。

江青年も、今や80歳間際。まだまだ冒険を続けて欲しい。