優駿 ORACION
東京モーターショーが始まった。
今はクルマには興味はないが、若い頃はイタリアの小型車が欲しかった。モーターショーのそのクルマのコーナーで今はなきJAXの社員に説明を聞いて、ますます欲しくなった。そして、競馬で儲けて現金で買いに来ますと伝えた。そうすると、「競馬をやるんですか?」と言って怪しまれた。当時はまだ競馬ブームの波が来る前で、競馬をやる人は反社会的な人に見られていた。
ギャロップダイナはとても個性的な馬で、札幌日経賞では騎手の東信二を振り落とした後も止まらず、空馬で1位入線になった。もちろん、記録上は競走中止で1位入線になっても賞金は出ないし、馬券の対象にはならない。
私は幸運にもこの馬券を的中させている。その縁で、ギャロップダイナを引退まで応援し続けた。
オラシオンと名付けられたサラブレッドを軸に描かれる人間ドラマで、小説はとても良かった。しかし、映画になると一気にダメな作品になった。もっと悪かったのは観客だ。動物が出てくる映画ということで、子供たちがたくさん映画館に詰めかけた。子供のマナーは何にも言わない。だが、親のマナーが最悪だった。
この映画をきっかけに、全国の乗馬クラブにはほぼ必ずと言っていいほどオラシオンという馬がいた。私が所属していた乗馬クラブも例外ではなかった。
天候にも、体調にも恵まれたら、府中の杜で会おう。