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バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future

新宿東口の駅ビル、マイシティの6階には、かつて二軒の書店があった。

小田急線沿線に住んでいた私にとって、新宿は生活圏だった。書店巡りが好きなので、週に一度は新宿の書店を巡っていた。一番品揃えがいいのは紀伊国屋書店本店。ここに行くと、丸一日過ごせた。紀伊国屋に行くほどのことではないときは、マイシティの二軒の書店で済ませることが多かった。
この二軒の書店は、ともに品揃えが良くて、とても重宝した。特に、競馬関連の本が充実していて、毎週のように買い求めた。
 
ある日、マイシティの書店をぶらぶらしていると、平積みにされている一冊の本が目に入ってきた。タイトルは「リプレイ」。どうやら、タイムトラベルを題材にした小説のようだ。導かれるようにその本を買い、帰宅して読み耽った。
アメリカのラジオ局のディレクターの中年男は死んだが、気がつくと若い頃の自分になっていた。ただ、彼は未来の記憶を持っていた。それを利用し、競馬で大金を作り、さらにはビジネスで大成功を収めるというストーリーだ。
未来の記憶で競馬で儲けるというのは私の夢だった。だから、いつか私が死んで若い頃に戻ってもいいように、大きなレースの結果を覚えるようにした。
 
この「リプレイ」は、同じ頃に読んだ「シューレス・ジョー」とともに、私の生涯ベストワンの小説だ。
この小説を読んだ後、私は病気療養のため、東京を離れ、サンフランシスコで暮らすようになる。成田空港まで見送りに来てくれた友人にこの二冊の本をプレゼントした。
 
サンフランシスコでは病気の回復著しく、6か月の滞在許可を短縮して帰国した。帰国の前、ハリウッドを訪問した。スタジオ見学をしたが、その時に自動車型タイムマシンのデロリアンが置いてあるのを見た。
 
バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、私が大好きな作品だ。特に、第三作は舞台が西部で馬がたくさん出ていることと、デートで観に行った思い出があり、忘れられない作品の一つ。
 
1985年からスタートするこの作品は、30年前の1955年にタイムトラベルをして、再び1985年に戻ってくる。パート2では未来に、そしてパート3では西部開拓時代に旅をする。
私にとって物語の始まりの1985年は映画界に入った年として忘れられず、1955年はまだベトナムで傷ついていない陽気なアメリカを見ることができうれしく、未来も西部開拓時代もともに憧れの時代でこれまたうれしい。
また、マーティとドクの歳が離れた親友同士という設定もいい。
 
映画も小説もタイムトラベルものはよく観るしよく読む。前述の「リプレイ」のほかではジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」も好きだ。この作品も映画化されると聞いたが、どうやら頓挫したようだ。
 
最近はあまり書店に行かなくなった。全部Amazonで済ませるから。でも、先日赤坂のちょっと大きめの書店に行って久しぶりに楽しい時間を過ごした。書店に行くといろいろな発見があるし、脳みそを刺激される。これからも機会を見つけて書店に通うことにする。