みゆき野球教室

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裸の銃を持つ男 2 1/2 The Naked Gun 2 1/2: The Smell of Fear

1991年は忘れられない年だ。病気療養のため、サンフランシスコに拠点を移した。

毎日、自由な時間だった。市内のバス、路面電車、ケーブルカー、そしてBARTと呼ばれる地下鉄の一部が乗り放題の定期券を買い、いたるところに行った。サンフランシスコは狭い街なので、路線バスに乗ればほぼ全ての場所に行ける。今でも、バスの路線図は頭に入っている。
 
この年は映画もよく観た。私がアメリカで最初に観た映画が、「裸の銃を持つ男 2 1/2」だ。当時はまだインターネットがなかったので、新聞を見て時間を調べて映画館に行くと、結構並んでいた。列の最後につき、入場券を買い、今度は入場するための列に並びなおす。当時の入場料は7ドルくらいだったと思う。日本の半額以上安かったということだけ覚えている。
 
ロサンゼルス市警の警部補、フランク・ドレビンはトラブルメーカーで警察上層部はいつもヒヤヒヤしている。彼が動くところ、必ず騒動が起きてそれが爆笑を誘う。しかし、いつも難事件を解決するという運の強さも持ち合わせている。テンポの早い展開で次々とギャグが炸裂する映画で、英語がわからない私も大笑いをした。
主演のレスリー・ニールセンはコメディアンとしての演技も最高だが、昔は普通の俳優だった。「ポセイドン・アドベンチャー」では船長役で出演していた。この頃のレスリーもいいがコメディアンとしての才能が開花したあとの彼はとてもいい。
 
この映画だけでなく、サンフランシスコではたくさんの映画を観た。東京にいた時は映画とは絶縁状態でほとんど観ていなかったが、アメリカの地で映画ファンの血がよみがえってきた。
 
あれから四半世紀が過ぎた。あの若い頃をもう一度取り戻したいが、それは叶わぬことを知っている。ならば、せめて少しでも映画を観る時間を取り戻したい。